【スペイン-ウクライナ】本命登場

僕は今大会、日本以外では、スペインとイングランドを応援している。イングランドの初戦は、勝ったものの先行きに不安を投げかけるものだった。しかし、昨日登場したスペインは無敵艦隊の名にふさわしく、見ていても楽しいサッカーを繰り広げてくれた。

シャビとシャビ・アロンソの組んだ中盤は、単に回すだけではなく、常に攻める糸口を狙っている。ルイス・ガルシアから繰り出されるクロスも精度が高く、そして何よりもビジャとフェルナンド・トーレスはFWとして極上のプレーを見せてくれた。このふたりはボールを受けたときから、いやボールを受ける前から、フィニッシュに至るまでの動きがイメージできている。受けてから考えて、切り替えしてコースを探して蹴るなんてことはしていないのだ。それが、日本の2トップとの違いではないだろうか。あのプレーを見せられては、ラウルが先発で出ていないことなど攻められない。

そして、右サイドのセルヒオ・ラモスは駆け上がってフィジカルの強さを最大限活かしたクロスを上げ、センターバックプジョルまでもがヘッドでポストプレーを決めて得点に絡んだ。いわゆる「チンチンにやられた」ウクライナは、日本以上のショックだったことだろう。これでまだ、デルオルノもホアキンレジェスも出場を果たしていないのだから、層の厚さも完璧だ。バルセロナオリンピック以来のビッグタイトルを、スペインが持ち帰る道が見えてきた。