日本テレビのアナウンサー・福澤朗さんが退社するらしい。アンチ巨人な僕にとって、日テレの看板アナウンサーは敵役のようなもの。特に「ジャストミート」なんていう意味もなく、インパクトだけのネタで売ろうとしているように見えた彼を、僕は良く思っていなかった。だけど、たまたまあるお芝居を見に行った時に彼が出演していて、彼が一所懸命に売れない芸人がやるような役柄をこなしているのを見て考えを変えたんだ。「こいつは会社のためではなく、自己実現のために何かをつかもうとしている」、そう思ったから。
フリーになるという報道の中で彼のプロフィールを見る機会があった。なんと、僕と同学年なんだね。新宿育ちで早稲田の文学部という彼とは、どこかで接点があっても不思議がないような人生だなとも思う。バンキシャでは、取材を受ける人たちへの配慮も忘れず、非常にバランスのとれたスタンスを貫いているけど、そこに留まっていては進歩はできない。彼は回りが見るほど「いい子ちゃん」じゃないと思うので、もっと遠慮せずに切り込めるような番組で活躍してほしい。
日テレの先輩、徳光さんのような「腰の低さと涙」でうまくまとめてしまうのではなく、福留さんのように「ありきたりのことを取材もせずに語る」のでもない、久米宏のような方向を目指しているのではないだろうか。僕は、そんな彼を見守りたい。頑張れ、福澤！
