[Alexanderos] But wait. Cats?

Sleepless in Blooklynがミドルテンポのポップスだったのに対し、最新アルバムBut wait. Cats? はロックだ。何が一番変わったかと言えば、ドラムスの自己主張。サトヤスが病気を理由に脱退し、元BIGMAMAのリアド偉武が加入して最初のアルバムなのだが、リアドが自己主張をしているというよりは、ドラムスを際立たせる音作りをして制作したということだろう。

ぐたいてきに言えば、いわゆる「オカズ」のようなシンバル系の音が多く入ったり、ここでそんなに叩くかというくらい刻んだスネアが連打されたりする。テンポも前作より明らかに上がっている印象で、ドライブ感が増したともいえる。それらはすべて、ドラムスのトラック音量が高めに設定されているからなのだろう。彼らのインタビュー記事にもそのようなことが書いてあるが、リアド加入でお互いのフィーリングを探っているうちに、バンドとしてロックンロールの要素に気づいてハマって行ったのではないか。新加入のリアドに花を持たせようとか、彼自身が張り切ったということではないのだと感じる。これは、バンドとしての意思が籠められているのだと。

楽曲としては、メロディはいかにも洋平節だ。ちょっと和風テイストの「音が飛ぶ」メロディラインは、いかにも川上洋平の真骨頂。歌詞も含め、これまでのドロスの延長線上に新たな要素が加えられた結果が、このロックへの傾倒ということなのだろう。そこで化学反応が起きたことを、僕たちは目にしたのだ。