【USオープン】大坂なおみ優勝

セリーナがリターンに失敗して、大坂なおみとセリーナ・ウィリアムスの戦いは終わったが、チェアアンパイアのカルロス・ラモスさん、あるいは主催者サイドとセリーナ、そして観客との戦いは続いていた。表彰式が始まっても、大音量のブーイングは止まらない。僕はセリーナのスピーチに期待していたのだが、彼女はその期待に応えるように観客をなだめ、大坂を祝福してくれた。

ワーニングを取られたコーチの手の動きは、当事者のムラトグルー自身が「コーチングだった」と認めたという情報もあり、ラケットを叩きつけて壊したのは本人も異論がないところ。そしてカルロス・ラモスさんへの暴言も、「lior(嘘つき)」という単語はマイクが拾っていたし、「thief(泥棒)」とも言ったらしいので、いずれも妥当なジャッジだった。

大坂なおみのインタビューコメントも、いかにも彼女らしく謙虚で、憧れのセリーナと観客を思いやった素晴らしいものだった。ただ、ニュース記事で「申し訳ございません」「すいません」と訳されてしまっているが、英語の「sorry」には、お悔やみを述べるときに使われる「残念」というニュアンスもあるので、日本語の語感ほど自責の念が強いわけではないのでは、とも思う。

いずれにしても、ワーニングを受けざるを得ないほどにセリーナを追い詰めたのは、間違いなツイートく大坂なおみのプレー。深いリターンに要所で決まるサーブが冴え、自身のアイドルでもあるセリーナに果敢にもボディサーブを仕掛けるあたりにも、プロテニスプレーヤーとしての成長が感じられた。インディアンウェルズ後のように、また期待の大きさに押しつぶされかねないが、今日のように楽しんで自分らしいプレーを見せて欲しい。