【テニス】伊達2度目の引退

試合内容だけ見れば、0-6 0-6のダブルベーグル。まったく見どころのないまま、クルニッチに敗れ去った。肩とひざの状態も不完全で、プロのテニス選手としてお金を取れる内容とは言えず、物足りなさを感じたままに試合は終わった。しかし、勝負が決して両選手がネットに歩み寄ったそのとき、勝者のクルニッチがヘッドバンドを外して大きく一礼したことで、そんな思いも霧散してしまった。

やや進行はグダグダではあったが、引退セレモニーでは奈良くるみ浅越しのぶも登場して、伊達公子のカリスマティックな存在感がよく伝わってきた。スタンドには坂本正秀氏の隣にミハエル・クルムの姿もあり、"One of them"といった感じで普通に接していたのも印象に残った。

そして、セレモニーの終盤には有明テニスの森の上空に大きな虹が架かる。こんなドラマチックな仕掛けまでが用意されていたなんて、さすがに伊達公子だとしか言いようがない。「ありがとう」よりも、とにかく「お疲れさま」という感覚だ。