【三菱一号館美術館】ジュリア・マーガレット・キャメロン展

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生憎の雨となった土曜日に、雨の日に似合う展覧会ということで三菱一号館美術館の「ジュリア・マーガレット・キャメロン展」へ出掛けました。この展覧会は「V&A」ことヴィクトリア&アルバート美術館が企画した国際巡回展です。もっと混雑しているかと思ったのですが、雨ということもあってか意外にも空いていました。

キャメロンの作品は、人間の知性が滲み出たような表情を独特なソフトフォーカスで捉えています。彼女が表現したかったものは、すぐそこになる現実ではなく、日常ではないもの、崇高なものだったのだと感じました。彼女が目指した崇高さとは、宗教画の世界、あるいは神の領域なのだと思います。

モデルの表情は笑顔よりも何かを考えている険しい表情であることが多く、子供の写真でも同様なのです。そこに芸術の原点を見せつけられたように感じ、とても見応えのある展覧会でした。ただ、同時代のフォトグラファーの作品があることで、全体の世界観をぼかしてしまっていたように感じられたところは残念でした。なお、一部の展示室では写真撮影が可能です。