【大分―長野】J3リーグが開幕

J3への降格が決まってからは、片野坂新監督の就任や相次ぐ補強に上昇機運を感じさせてくれていた大分トリニータ。地元サポーターも同じことを感じていたのか、長野との開幕戦は9,000人を超える観客が大分銀行ドームに訪れた。

前日練習で違和感を訴えた山岸を欠くラインナップだったが、攻めの形はしっかりと見えた。サイドで崩すことが徹底され、松本昌也と黄誠秀の中盤がうまくバランスを取る。清本がやや独りよがりではあったが、あの強引さも必要な要素ではあるので、連携しだいだろう。守備も、J3レベルなら山口のフェイクも通用しており、大きな破綻もなく90分を戦えた。終盤に見せた5バックも、クロージングのオプションとして有効だと感じた。

課題は、やはりフィニッシュの精度。そして、大津のポジションが低すぎる上にキープもできていないことを改善しないと、後ろが押し上げる時間が稼げない。仮に大津を見切るのであれば、パウリーニョと高松にはあまり期待をせず、キム・ドンウクや三平を待ちたいところだ。吉平や鈴木の惜しいシュートもあり崩せてはいるので、開幕としては合格点の水準だと思う。田坂前監督が毎シーズン、開幕にチーム作りが間に合わなかったことを考えると、これは格段の進歩だ。