【国立西洋美術館】ミケランジェロ展

東京・上野の国立西洋美術館で開幕した「ミケランジェロ展」を鑑賞してきました。実はあまり期待せずに出掛けたのですが、意外にも気づきが多く得られ、とても貴重な体験になりました。ミケランジェロの作品に強く表れているのは、立体を平面に表現することへの情熱。システィーナ礼拝堂の天井画と「最後の審判」もそうですが、筋肉の凹凸の表現は実にリアルです。筋肉を描くことは必然的に裸体のモチーフとなり、後世に衣服を書き足されてしまうことになるのですが…

彼の習作としてのデッサンは、表現するものとしないものの仕分け作業。単純な線で奥深いものを描くテクニックは秀逸です。何を見せたいのかが明確ですが、これは仕事のプレゼンにも応用できそう。無駄なものは描かずに、必要最小限の線で見せる技から目が離せませんでした。

ただ、この展覧会の目玉ともいえる「4Kカメラ」による「最後の審判」の映像は、オプションではなく必ず鑑賞者が通過せざるを得ない導線になっているため、展覧会終盤に混雑すると完全にここがボトルネックになってしまいそうです。

なお、常設エリアではル・コルビュジエの作品が展示されています。建築家として名高い彼の絵画はキュビズムの影響が感じられ、意外なくらい素晴らしくて見応えがありました。

http://www.tbs.co.jp/michelangelo2013/