【東京国立博物館】飛騨の円空

上野の東京国立博物館で「飛騨の円空」展が開催されていますが、平成館ではなく本館の一室での展示でした。思ったよりもこじんまりした展示内容ですが、そこはさすがに円空。存在感のある神仏で、充実感があります。料金も900円なので、まあ妥当な設定ですね。

僕が感じたのは、円空の描く仏の表情のおだやかさと激しさのコントラスト。ただ、それはまったく別のものということではなく、安らぎの裏に怒りがあり、怒りを乗り越えて平穏があるということなのだということです。円空仏のユーモラスな表情は、人間の根源に触れるようなもので、安らぎと怒りが表裏一体となっているのだと思いました。

このようにデフォルメされた神や仏が受け入れられたということは、日本文化の懐の深さなのでしょうね、今から300年以上も前の江戸時代に、こんなサブカルチャーとも言える作風を許容していた日本は、やはり文化の成熟度が高いということなのでしょう。

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