【WBC】準決勝に向けて

1次ラウンドも2次ラウンドも、侍JAPANの采配を振るった山本浩二監督の戦術は意味不明なものが多かった。能見を引っ張り過ぎたように先発投手の替え時も間違っていたし、大事な試合でのセオリー「余分な投手は使ってはいけない」を確実に犯していた。普段は先発を担っている杉内のようなピッチャーをいきなりリリーフで使うのも、とても危険な賭けだ。ヤフオクドームでホークス、東京ドームではジャイアンツの地元の選手を起用したことも、勝利に徹していたとは思えない。

攻撃面でも同様だ。一気に攻めたい場面のはずなのに当たっている糸井にバントをさせたり、長野や阿部の起用にこだわったり。落合博満のような勝負師から見たら、なんともぬるい采配に見えたことだろう。しかし、それでも侍JAPANは1位通過してしまう。あの台湾戦でも、ここぞという場面でランナーが鳥谷で打者が井端という願ってもない流れになったのは、ラッキーだとしか言いようがない。山本浩二は、やはり何かを持っているのだろう。

さて、いよいよ米国に舞台を移しての準決勝だ。最後の2試合で山本浩二監督に期待したいことは、まずは「余分な選手を使わない」こと。そしてクローサーは牧田にするのなら、ぶれずに貫いてほしい。昨日のオランダ戦で起用した投手の中では、大隣は使えそうだ。しかし、森福や今村、山口はを使うべき場面は訪れないだろう。左打者に左投手という起用も、実は二の次だ。調子をしっかり見極めて、ベストな選択をしてもらおう。