【ロンドンオリンピック】なでしこ決勝に向けて

捨て身のフランスに猛追されながら、身を挺した守備でしのいで決勝進出を果たしたなでしこJAPAN。その戦いぶりは、ワールドカップアルガルベカップとは異なって見える。その要因は、配置転換だ。大儀見(旧姓永里)と2トップを組んでいた川澄を左ワイドに回し、右サイドだった大野をトップで起用。宮間を左から右に動かした。

これによって、左サイドを突破していたサイドバックの鮫島の上がりが減った。川澄がサイドを切り崩すミッションを与えられたからで、特にフランス戦は相手右サイドの攻撃力を警戒して、かなり守備的なポジショニングだった。アメリカの右サイドも強力なので、同じ戦い方を選択することは十分に考えられる。しかし、一方で鮫島に高いポジションを取らせて相手を牽制することも可能だ。

その場合、大野を右ワイドに戻し川澄をトップ、宮間を左サイドに置く方が展開がスムースになるはずだ。守備的と揶揄される原因のひとつに、サイドバックの上りが少ないことが挙げられるだろう。外野の声を気にすることはないが、アメリカを攪乱するためにも戦術の転換は考慮すべきだろう。

フランス戦の終盤は、相手の猛攻にDFラインを押し上げられずに、連続攻撃をくらってしまった。これまでボランチ~DFラインは落ち着いていただけに、もう一度押し込まれた際の対応を確認してもらいたい。DFラインをボールを回す余裕があれば、もう少し楽に時間を使えたはずなのだ。