【東京V-大分】3バックで3連勝

久しぶりの生観戦となった味の素スタジアムでもゲームは、前半をスコアレスで終えた段階で大分トリニータの攻撃の弱点が明らかになっていた。最終ラインでボールを回している間に土岐田が右サイドで何度もフリーになっているのに、ボールホルダーは近い距離の受け手しか見えていない。サイドチェンジも長いパスも滅多に出ないから、前線の選手は「信じて走る」ことができないのだ。

そんな不安を打ち消したのは、後半開始早々の河原だ。ゴール前でボールを受けると、相手GK土肥のポジションを見切り、土肥の頭上を越えてファーサイドのネットを揺らす完璧なループシュートを決めた。飛び跳ねながらゴール裏のサポーターの下へ駆け込む河原の笑顔がまぶしかった。

東京V 0-1 大分(得点:河原)

<GK>清水:6.5(セーブもキックも安定)
<DF>藤田:6.5(完封の立役者)、菊地:6(判断ミスも)、池田:5.5(パスミス目につく)
<MF>土岐田:6(フリーでもパス来ず)、宮沢:5.5(やや消極的)、姜:6(守備で貢献)、内田:6(サイド崩す)
<FW>キム:5.5(シュートミス多い)、チェ:5.5(機能せず)、河原:7(技ありループ)
<SUB>東:6.5(テクニックに冴え)、井上:6(アンカーとして機能)、益山:評価なし
※下川、高松は出場せず
<監督>皇甫官:6(3バック安定)

大分サポーターの数は少ないものの、声は互角とも言えるほど聞こえていた。前半はホーム寄りの笛を吹きながら後半はまともなジャッジをしてくれた野田主審が試合終了を告げた後、サポーターの歌う「大分からの使者」に合わせて飛び跳ねる大分の選手の呪縛から解放された表情に安心したことが、今日の最大の収穫だったといえよう。