【ジョゼと虎と魚たち】池脇千鶴の可能性

出張で宿泊しているアパホテルのVODに、以前から気になっていた「ジョゼと虎と魚たち」があったので鑑賞しました。この手の映画は、まさにフランス映画のように淡々と展開して、最後に魚の小骨のような刺激を心に残してくれますね。ハリウッド映画とはまた違ったものだという理解がないと、物足りなく感じられてしまうことでしょう。

この作品の魅力は何と言っても池脇千鶴。足に障害を持つかなり変わった性格の女性を、巧みに演じています。妻夫木聡とのベッドシーンでは、頑ななイメージが微妙に変化したと思ったら、最後には積極さを示すほどになっていくのですが、違和感もなくごく自然に演じ分けているのです。「20世紀少年」のエリカも好演していたし、まだまだ可能性のある女優だと思うのですが、最近はやや目立たなくなっていますね。妻夫木も、上野樹里や江口徳子ともからむ「女たらし」という役どころが妙にハマっていました。こういう男性こそが、本当は危険なのかもしれません!

大倉孝二やSABU、荒川良良、板尾創路など個性的な俳優陣が脇を固めます。映画らしい極端な演出はあるものの、不必要なエンタテイメントに走っていないので、静かな雰囲気のままラストまでゆったりと世界観に浸ることができる、そんな映画です。

http://www.jozeetora.com/index_f.html