【ストラスブール美術館所蔵】「語りかける風景」展

渋谷Bunkamuraのザ・ミュージアムで開催されている「ストラスブール美術館所蔵 語りかける風景」を鑑賞しました。それほど有名な作品が来ているわけではなく、美術館自体も地味な位置づけなのであまり大きな期待はしていませんでした。出展作品も少ないので、過剰な期待をしてしまうと、物足りないまま出口にたどり着いてしまうことでしょう。

2年前にストラスブールを訪れたのですが、クリスマスマーケット(マルシェ・ド・ノエル)がメインだったので、美術館はパスしていました。ストラスブールのあるアルザス地方は「最後の授業」の舞台となったように、フランスとドイツによる支配の歴史を持った街。この美術館の収蔵作品にも、ドイツやオランダのものが多く見られて興味深かったです。

一番目を惹いたのはアンリ・マルタンの「雪化粧のパリ」。パリの雪を実際に見たことはないのですが、灰赤紫色に染まった夕暮れ近いパリの雪空が叙情的に描かれていて。とても美しい作品です。他にもマックス・エルンストやポール・シニャックの作品にも有名ではないながらも光るものがありました。大御所ではピカソやモネがありましたが、モネの「ひなげしの咲く麦畑」は彼らしい印象派のアプローチが特徴的でした。

新聞社の後援がないこともあって、土曜日でもそれほど混雑しておらずゆったりと鑑賞することができました。

http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/10_strasbourg/index.html