【サイドウェイズ】無駄のない構成

リラックスしながらゆったりと映画を鑑賞したいと思うと、やはり邦画を選びたくなります。「サイドウェイズ」は主演に小日向文世生瀬勝久という、意表を突いていながらも安心感のある俳優を起用していた点で興味を持っていました。ハリウッド映画のリメイクということは知らなかったのですが、違和感はあまりなく、日本人をうまく配していたように思います。

基本的にはロードムービーですが、僕は結構こんな要素のある作品が好きです。これまでに見た中でベストな作品は「パリ、テキサス」ですが、この作品もロードムービーですね。始まりと終わりが明確で、その中で起きる事象を消化していく。映画を見るという行為には、合っている展開だと思います。かつて留学していたカリフォルニアを訪れる小日向と、現地でそれなりに生活している生瀬の設定がなじんでいました。

ただ、鈴木京香の老け方にはちょっと驚きました。最近あまり見ていなかったのですが、「マジックアワー」でもここまでは疲れた感じではなかったような… 役作りだとすれば素晴らしいけれど、そうではないような気がしました。菊地凛子を起用するなら、別にハーフの役でなくても日本人っぽくない価値観を持った女性は演じられたはずなので、妙な日本語にやり過ぎ感は否めません。

全般的には、期待していたようなゆったりした気分に浸ることができました。2時間を超える作品なのに無駄な部分がなく、テンポよい構成になっている編集が秀逸です。

http://movies.foxjapan.com/sideways_jpn/