【人事の話】グループワークの罠

新卒採用の選考でグループワーク(GW)やグループディスカッション(GD)を取り入れている企業は、だいぶ増えているようですね。僕の会社でも一次選考にGWを導入しています。たくさんの学生をエントリーシートや筆記で足切りしてしまうのはもったいないけれど、面接で個々に会うだけの時間や労力はかけられない。そんな場合には、GWは有用です。

最近は、GWのノウハウを教えてくれる講座や情報サイトがあるようです。でも、そんな知識だけを鵜呑みにするのは、結構危険なのです。例えば、GWで自分の考えを理路整然と述べ、グループのメンバーに「いかがでしょうか」と確認を取る。これは立派な行為ではありますが、使い方次第では「究極の押し付け」になります。ワークをリードしているつもりでほとんどの時間を自分がしゃべってしまっても、それはマイナス評価にしかなりません。

要は、周囲のメンバーへの配慮が必要だということなのです。形だけではなく、心から相手に対する配慮を示したり、傾聴したり、共感したり。そんなことができる方がよほど評価されますが、一朝一夕に身につくスキルではありません。日頃から意識することで、失敗もしながら少しずつ伸ばしていくしかないのです。間違った理解をしている人と同じグループに入ってしまった人たちは、ある意味悲劇ですね…