【人事の話】新卒採用のジレンマ

すでに2010年入社者の採用活動が始まっていますが、企業としてはまずは母集団をしっかり確保して、じっくりと選考に入りたいものです。業界セミナーから会社説明会、さらには面接へと、優秀な学生を漏らさずに誘導したいという思いがあります。

しかしながら、一方では面接のために人手を割くことで本業が停滞するのは困りものです。特に組織がフラットな会社にとっては、中核となる管理職が面接官として拘束されてしまうと、営業活動や商品開発が遅れる可能性は大きいのです。

そうなると、企業はエントリーシートや筆記試験、グループワークのようなある程度ざっくりと切り分けができる手段でスクリーニングをかけることになります。僕が新卒で就職活動をしていた頃には、学生4対企業2くらいの集団面接が一般的でしたが、いまは完全に廃れた模様です。集団面接ではなかなか学生の本音を掘り下げられないし、学生にとっての企業の印象もよくないのです。学生といえども、その企業にとっては潜在的なお客様であるケースも多いですし、就活サイトで悪口を書かれないというリスク対策としても、企業は下手な行動が取れませんからね。