【大分-鹿島】セカンドボール制圧され

大きな差ではなかったかもしれない。しかし、ゴール前の混戦からコースを狙って放たれた内田のシュートと、一瞬だけ遅れた下川の反応。それで雌雄が決まってしまうのだから、やはりその差は大きかったのだろう。ただ、それ以上に今日の勝敗を分けたのは、セカンドボールの奪取だった。高松をめがけて蹴りこまれるフィードのこぼれ球はことごとく鹿島に拾われ、中盤を押し上げることができなかったのだ。

これで首位との勝ち点差が5となり、事実上二冠の夢はかなり遠のいた。優勝が厳しくなったこの状況で、大分はACL出場権を狙うべきだろうか。個人的な見解とすれば、NOだ。ナビスコとリーグ戦のために天皇杯を捨てただけでもこれだけ非難を浴びたチームが、ACLというタフなステージで戦ったら、下手をすれば大変なことになってしまうだろう。

<GK>下川:5.5(反応遅れ中途半端に)
<DF>深谷:6.5(冷静さ保つ)、森重:5.5(空いてFWをつかまえ切れず)、上本:5.5(プレー荒い)
<MF>小林亮:5.5(役割はっきりせず)、エジミウソン:6(精度欠きチャンス作れず)、藤田:6.5(しつこさ見せる)、鈴木:6(再三攻撃に絡んだが)、金崎:5.5(持ち過ぎてリズム作れず)
<FW>高松:5.5(孤立気味)、ウェズレイ:5(ほとんど見せ場なし)
<SUB>家長:6(サイドで起点にはなった)、森島:評価なし
※清水、山崎、小林宏、西山、清武は出場せず
<監督>シャムスカ:5.5(サイド攻撃は形にならず)

ついに九州石油ドームを30,000人を上回る観衆が埋めたこの試合で、大分は自分たちのいいところを引き出すことができなかった。ダニーロ、小笠原、中田浩二を欠きながらもここまでの攻めができる鹿島のチーム力が、一枚も二枚も上だったということだろう。大分が目指すべき高みは、まだまだ先だ。