【映画】レッドクリフを絶賛

中国物の映画を劇場で見るのは、「グリーンデスティニー」に続いて2回目です。予告編を見て独特の世界観を持った作品に思えたので鑑賞してみましたが、大正解でした。何が素晴らしいって、映像そのものです。「これぞ映画」と言わんばかりに細かいビジュアルにこだわったカメラワークやCGには脱帽です。具体的に挙げれば、衣装から舞い上がる埃や馬が跳ね上げる土埃、中国らしい遠景を漂う霧、かき鳴らされる琴の揺れる弦… とにかく細かいアイテムが練り上げて描かれており、ローアングルから捉えた合戦シーンや映像の深みを存分に引き出す遠近法など、随所で楽しませてくれるジョン・ウー監督の手腕は最高でした。

合戦の場面では、騎馬を用いているために撮影は大変だったと思いますが、リアル過ぎず作り物臭くもない絶妙なバランスを維持しています。主演陣はアップの映像が多いのですが、顔の筋肉の動きを巧みに捉え、緊張感のある流れを作り出しています。周瑜を演じるトニー・レオンの自信に満ちあふれた振る舞いや孫権役の張震の心が揺れ動く模様の描写も見事なら、日本勢の中村獅童金城武も難しい役どころをうまくこなしています。

役者陣の他に、音楽も日本人が担当しています。この映画を見て、自分の中にあった中国像が少し変わったような気がしました。物語の中で「仁」や「義」を重んじるスタイルや、日本人俳優が中国人の役を違和感なく演じていることなどから、そんなに中国を嫌うこともないのかと思いました。とにかく映画作品としての完成度が非常に高いので、ぜひご覧ください。これまで見た映画の中でもナンバーワンかもしれません。

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