【米大統領選】オバマ順当勝ち

蓋を開けてみれば、今回の大統領選は各州の獲得状況までマスコミの予測がほぼ的中し、鍵を握ると言われていた「ブラッドリー効果」は出現しなかったという印象です。「ブラッドリー効果」とは、人種差別的な思想を持つ市民が事前の調査では世間体から「アフリカ系候補に投票する」としておきながら、実際には白人候補に入れる投票行動ですね。開票序盤に東海岸オバマが制したのは当然でしたが、接戦が予想されたペンシルベニアオバマが取り、ニューメキシコも続いたあたりでオバマ勝利が確実になりました。

オバマとマケインの政策を比較しても、文字面だけ見るとそれほど大きな差異はないように見えます。しかし、対イラン・イラクの姿勢や富裕層保護に見える経済政策から、「ブッシュ政権の継承」という色が強くにじみ出てしまい、マケインその人の評価以上に「反ブッシュ」という判断を下されてしまったように思います。

同じ共和党候補という意味では仕方ないのですが、候補者個人の適性を純粋に判断すれば僕はどちらにも懐疑的でした。マケインにはアメリカ合衆国という大国を率いる「強さ」「タフさ」がビジュアル的に見えなかったし、オバマはセレブ気取りのところ、演説がアジテーションに聞こえる点でアメリカを変な方向に引きずりかねないという懸念がありました。こうなった以上、米国発の世界恐慌かというタイミングで指導者になるオバマ氏には、不必要な「change」まで起こさないことを願っています。何もかも"Tonight is the answer"で片付けられては困りますので…