【サブプライム】波乱の時代・特別版

サブプライム・ローンの行き詰まりに端を発する世界的な経済危機の影響でリーマン・ブラザーズが破綻し、保険業界ではAIGに続いてINGまでもが公的資金の注入を受ける情勢になっています。この問題の経緯とを何となくは把握していたのですが、きちんと頭の中で整理しておこうと思っていたところ、この本を見つけました。この「波乱の時代・特別版」は、元FRB議長のアラン・グリーンスパンが書いた「波乱の時代」のペーパーバックス版の序文を翻訳したものです。

冒頭の数行を読んだだけで、僕の頭の中では事実が整理されました。専門用語も多いけれど、とても平易でわかりやすい文体が用いられているので、経済学を学んでいない文学部卒の僕にも理解しやすかったです。今回の経済・金融危機のポイントは「リスクはコストである」ということに象徴されるのだと思いました。信用度の低い借り手にお金を貸す場合には、貸し倒れのリスクや回収にかかるコストを織り込んだ利率を設定する必要があるということです。昨今のように証券化によってリスクが分散されてしまうと、企業はついついリスクを軽視しがちで、目先の収益に惹かれて甘めの与信を提供してしまったがためにこのような状況に陥っているのでしょう。

もちろん、世界の資金の流れや金利情勢、グローバリゼーションの進展なども要因になっているので簡単に言い切れることではないのですが、それらを整理するにもこの本はとても役に立ちました。本文は60ページほどで500円ですので軽く読めますし、投資額もあまり気にする必要がないですよ。

http://store.shopping.yahoo.co.jp/7andy/32142815.html