【プレゼン】広告代理店も人事も同じ

最近読んだ本に、博報堂の常務執行役員・小沢正光著「プロフェッショナル・プレゼン」があります。これは広告代理店で長く第一線のプレゼンを担当して来た筆者が、プレゼンの準備段階から当日の展開までをポイントを絞って解説しているものです。さすがプレゼンのプロだけあって、書かれている内容がすんなり頭に入ってきます。言葉の選び方や使い方、そして語りかけるような文章のテンポと間の置き方が素晴らしいです。

そこで書かれていることなのですが、プレゼンで大事なことは「相手を説得することではない」ということ。つまり自分の価値観に相手を屈服させるのではなく、いかに相手に受け入れてもらうかを、相手の視点に立って考えるということでした。このことは、まさに人事担当者が社員と面談する際のアプローチと似ています。

重要なのは「会社の理屈を社員に納得してもらう」ことではなく、「(話し相手、あるいはすべての)社員にとっての意味を理解してもらう」ことなのです。もちろん、理解はできても納得まではしてもらえないことも多くあります。それでも、会社の言い分を一方的に押し付けて屈服させるようなアプローチよりははるかに上です。

この書籍はプレゼンが題材ではありますが、コミュニケーションスキルを伸ばすためのテキストとしても十分に使えます。相手に受け入れられる論理展開とは何か、そんな視点で自分のスタイルを見つめ直してみる機会にしてはいかがでしょうか。

http://books.yahoo.co.jp/book_detail/32128626