【外資の英語】notの難しさ

これは初級編で有名な話ですが、否定の疑問文に対する回答は日本人には即座にはなかなか難しいです。というのは、最近空港のセキュリティで尋ねられる"Don't you have any liquid?(液体物は持っていませんね)"に対して「はい、持っていません」のつもりでうなずきながら"Yes"と答えたら、「何だって? ちょっとこっちへ来い!」という展開になってしまうのです。この場合は、首を横に振りながら"No"と答えなくてはならないのです。なぜなら、"No, I don't have any liquid."の略だから。"Yes"なら"Yes, I have some liquid."の意味になります。

さて、応用編としては"Why do you approve it?(なぜそれを承認するんだ)"という文章は、文脈から"Why"と略すことができます。一方"Why not"と言えば、「なんでそれを承認しないんだ。おかしいじゃないか」という意味になります。さらには"Why don't you approve it?"になると、「なぜそれを承認しないんだ」ではなく、「それ、承認しようじゃないか」とい誘いかける文章になってしまいます。

"not"なんて中学校の1年生で学ぶ(今や小学生以下でも知っている)単語なのに、実はかなり奥が深いんですよ! ビジネスの場面で相手が怪訝な顔をしたら、文章を言い換えるなどしてフォローが不可欠ですね。