【CWC】浦和・真剣勝負に屈す

挑戦したというよりは、明らかに勝ちに行った浦和レッズだったが、さすがにACミランの守備は堅かった。1対1の局面ではほとんどミランが勝っていたし、浦和の選手が余裕で持っているように見えても、背後から迫って一瞬でボールを奪い去って行くところは素晴らしい。セットプレーでは圧倒的な存在感を示すワシントンも、ミランのゴール前では競り勝てそうな雰囲気はなかった。

浦和で光ったのは阿部だ。1対1で唯一いい勝負をしていたし、攻守に貢献していた。闘莉王の負傷で最終ラインに下がらざるを得なかったのが残念だ。相馬はセパハン戦の活躍でマークされてしまっていたし、細貝には北京に向けていい経験になっただろう。交代出場した山田の出来がよかっただけに、もう少し早い時間に細貝に代えてもおもしろかったのではないだろうか。

それにしてもセードルフだ。カカばかりにマスコミの注目が集まったが、このベテランは相変わらずお節介なくらい随所に顔を出しては、攻守にリズムを作り出していた。終盤、ヤンクロフスキーに代えてマルディーニを左サイドバックで起用したところに、ミランの執念を感じた。これは間違いなく真剣勝負だったし、それに正面から挑んで屈したアジアチャンピオンに心から拍手を贈ろう。ひとつだけ不満を言えば、タイムアップ直前の攻撃でシュートを打てずに終わったところは反省材料だろう。