【映画版】NANA/NANA 2・続編の失敗

WOWOWで放送された「NANA」と「NANA2」を続けて見ました。この作品の原作コミックは読んでいないのですが、「NANA2」の方が原作に忠実に制作されているようです。僕の印象は、実写版の映画化をするならば、「NANA」のストーリーの方が見る側が受け容れやすいのではないかというものでした。

<以下、ネタバレあり>
「NANA」は純粋に、地方から上京してきたナナとハチがバンド活動やアルバイトといった普通の若者の生活の中で繰り広げられるドラマでした。ところが「NANA2」では妊娠中絶やマスコミの過熱報道など、いわゆる下世話な展開になってしまっています。コミックの世界なら現実感も適度に中和されますが、実写の映画では過剰な現実感が安っぽさとなって色濃く映し出されてしまうのです。

この2作では、同じキャラクターが別の役者によって演じられているものがあります。ハチ(奈々)を演じるのは宮崎あおいから市川由衣に変わっていますが、これはごく自然でした。宮崎あおいの方が奔放なハチのイメージをうまく演じていましたが、2作目の複雑な状況を演じさせるには市川の達観したような雰囲気が妥当でした。一方、ナナの恋人・本城蓮は松田龍平から姜暢雄に変わりましたが、こちらはイメージがだいぶ違ったので、見ていて強い違和感がありましたね。

中島美嘉は、1作目の序盤ではあの不器用な感じの演技に馴染めませんでしたが、徐々に独特の色合いがうまく役柄にマッチしはじめ、「NANA2」の終盤にはかなり惹き込まれました。バンドの世界には結構こんなキャラクターの女性ボーカリストはいるし、作品のキャラが持つ「カリスマ性」という点ではハマリ役だったのではないでしょうか。

http://www.nana-movie.com/