【東京フィル】定演@サントリーホール

東京・サントリーホールで開催された、東京フィルハーモニー交響楽団定期演奏会に出掛けてきました。今夜のメニューはプロコフィエフピアノ協奏曲第2番と、チャイコフスキー交響曲第4番です。僕は大学時代にチャイコの4番をアレンジした曲を演奏したこともあってこの曲には愛着があるし、チャイコフスキーの音楽はメランコリックでリリカルなので大好きなのです。

そんなわけで、チャイコの4番目当てで聴いた演奏会だったのに、意外にもピアノ協奏曲の印象が強かった! ソリストのアレクサンドル・メルニコフは、開放させたピアノの弦を目一杯響かせるのですが、タッチが強すぎないので耳障りでなく、そればかりか突き抜けるような無垢の響きがホールに充満していきます。音符の長さなどがちょっと不安定なところもありましたが、そんなことが気にならないくらい素敵な響きのピアノを聴かせてくれました。

またメインのチャイコも含め、指揮者のミハイル・プレトニョフのつける曲想やダイナミズムも的確で、個々に見るとイマイチな部分もある東京フィルをまとめ上げ、巧みに盛り上がりを演出していました。特に第1楽章冒頭の金管とホルンが力強く歌い上げるファンファーレからチャイコらしいロシア的な旋律に移る部分、そしてクライマックスの金管と打楽器が圧巻でした。弦楽器は同じ旋律を多数で演奏するからアラが出にくいけど、管楽器は大変ですよね。今夜はピアノ協奏曲のフルートやチャイコ後半のホルンなど、やや乱れがありました。セカンド・ヴァイオリンの高音も軋んでいるところがありましたが、とにかく全体的な評価としては素晴らしい演奏でした。たまにはクラシックもいいものですよ。

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