【北京五輪予選】香港戦でのテスト

3-0で香港を下した試合後のインタビューで、反町監督はまるで泣いたかのように赤くした鼻で不満気なコメントを残したが、その本心はどうだったのだろう。勝ち点3という結果は手にした。そして、帰化してチームに合流したばかりの李のテストも行い、まだ平山やカレンとのコンビネーションが出来上がるには程遠いこともわかった。増田や家永をサブとして使っても、流れを変えられることも試すことができた。そう考えれば、決して悪いゲームではなかったように思う。

ただ、反町の実績として残る部分を見るならば、必ずしも評価はできない。前半のまだ香港チームに元気がある時間帯には、増田や谷口のようにつなげる選手で崩すという選択肢はなかったのか。そして後半、相手の集中力が途切れる頃だったら、カレンのスピードをもっと活かせたのではないだろうか。増田と家永の投入は正解ではあったが、そこに至るまでにもっと相手を崩せていないとシリアのような中東のサッカーには通用しないだろう。

マレーシアは比較的戦いやすいと思うが、シリアにはてこずるかもしれない。平山相太を軸に考えるのはいいが、平山抜きのスクランブル体制を作っておかないと、相手に読まれてしまう可能性がある。カードが多彩なだけに反町監督の悩みどころだろうが、まだまだ戦いは始まったばかり。誰かが離脱しても困らないチームに、早く仕上げていただこう。