【国立新美術館】持て余すスペース

イメージ 1

六本木にオープンした国立新美術館で、開館記念展「20世紀美術探検―アーティストたちの三つの冒険物語―」を鑑賞してきました。地下鉄の乃木坂駅から直結しており、3月には近くに「六本木ミッドタウン」もオープンするので、このエリアの活性化が期待されます。

さて、展示ですが、はっきり言って広大なスペースを持て余しています。まるで百科事典のように、あらゆるムーブメントを網羅したような構成になっているので、多くの日本人が美術館でするように、全部の作品を作者やタイトルを追いながら見ていったら、半分もいかないうちに挫折してしまうでしょう。開館記念ということもあって、キュレーターは企画を練り上げて特別なものを作ったのでしょうが、見る側の立場には立てていないように思います。

作品も、あまり印象に残るものは多くないです。僕が気に入ったのは、リキテンスタインポップアートの作品や草間彌生のテキスタイルくらいです。後半の展示は広いスペースを活かしてはいますが、すでに疲れ切った状態なので全部を回る気にはなれません。

この美術館は常設展示を持たず、いわゆる「場貸し」。これだけの展示室で、常に質の高さを保つにはかなりの苦労が必要ではないでしょうか。もっと実験的なことにもトライしてみた方が、せっかくの施設を無駄にしないで済むでしょうね。

http://www.nact.jp/exhibition_special/2006/opening.html