【写真展】しあわせなとき@渋谷

渋谷のギャラリー・ルデコで5/7まで開催されている、写真展「しあわせなとき」を鑑賞してきました。この展覧会にはブログ仲間のimcoolさんも参加しており、10人のフォトグラファーがそれぞれの作品を披露してくれています。初夏らしい陽気の休日に、普段の生活に散りばめられた幸せを気づかせてもらえる、そんな空間です。

imcoolさんはブログでも作品を公開されていますが、彼女の視点から切り取った風景には明確なメッセージが感じられます。今日の展示も、ベトナムやパリ、イギリスそして日本と遠く距離を隔てた風景のはずなのに、すべてがimcool色に仕立てられたような統一感が漂っていました。

他にも、すだちはるさんのネコを題材にした写真は、ネコ好きの僕の視線を捕らえて離しません。また、都会の雑踏で一瞬の表情を切り取った吉木孝光さんの作品や、食べ終わったばかりの汚れた食器を写した伊藤さや子さんの作品も印象に残りました。全部は紹介できないけれど、会場は10人それぞれが、それぞれの視点で感じた「しあわせ」に満ちていました。

この展覧会を見て、僕は絵画と写真のアプローチの違いに思いを巡らせます。絵画は、何もないキャンバスに意味を重ねて行く。一方、写真は意味と因果に満ちた現実から、写真家が切り取りたいもの以外を切り捨てる。絵画を見るとき、僕はその構図や色や表情に意味を探します。しかし、写真では意味を探すと同時に、写真家が切り捨てたものが何だったのか、それも感じる必要があるのではないだろうか。

例えば男性の笑顔の写真は、男性の性格の悪さやダミ声、おじさん臭を切り捨てているかもしれません。上述した「食べ終わった食器」なら、汚さとか画面の外に飛び散ったソースは写されていないのです。これから写真を見るときのアプローチが得られたことも、僕にとっては大きな収穫でした。