【ビジネス】ダヴィンチ・コードの余波

ダヴィンチ・コード」が文庫化されたこともあって、まだまだダン・ブラウンをめぐるビジネスは絶好調のようだ。ダンは、僕と同じ1964年生まれでシンガーソングライターを目指していたこともあるとあって、何となく親近感を覚える作家。「ダヴィンチ・コード」や「天使と悪魔」で見せてくれた、歴史や宗教、そして「謎学」的なトリビアを散りばめてくれる手法は、日本人受けも良さそうだ。

間もなく映画「ダヴィンチ・コード」も公開され、またブームの波がきそうなダン・ブラウン。彼をめぐる出版界の動きもあわただしい。まず最近、ダンの旧作「パズル・パレス(原題Digital Fortress)」が出版された。その前に出た「デセプション・ポイント」もそうだが、これらは「ダヴィンチ~」より以前に書かれた旧作であって、ラングドン教授シリーズでもない。欧米でも、かなり評価が分かれていたようなので、買う場合にはよく考えてからの方が良さそうだ。

ダヴィンチ・コード」に関しては関連書籍がこれでもかというくらい出ているが、僕が驚いたのは、ラングドン教授シリーズの次作として執筆中の「ソロモンの鍵(仮題)」のガイドブックがすでに出版されていることだ。「ダヴィンチ・コードイン・アメリカ~<ソロモンの鍵>解読ガイド~」と題されたこの書籍は、「ダヴィンチ~」のカバーに次作を読み解くヒントが含まれているという視点から、まだ書き上げられてもいない作品を「ガイド」してしまうのである。

ここまでくると、商魂たくましいとしか言いようがない。それだけ、ダン・ブラウンの築いたものが大きいということに他ならないのは確かだが・・・