【コンテンポラリーアート】Shun Sudo @ 両足院

両足院は京都にある建仁寺塔頭のひとつ。12月に入ったとはいえ、まだ紅葉も楽しめる素晴らしい環境の中で、アーティストShun Sudoの個展「Momentary」が開催されています。

彼を象徴するモチーフである「ボタンフラワー」が寺の門に掲げられていますが、現代風のアートが歴史を重ねた木造建築に想像以上に馴染んでいることがわかります。拝観料1,000円は、これだけでも決して高いとは思えません。

堂内では手水鉢や床の間に作品が設えられていて、日本古来の伝統的な空間と現代アートをうまく融合させるアプローチも目を引きます。概してShun Sudoの作品は、細かい要素を多数盛り込んでにぎやかな印象になっているものも多いのですが、シンプルにボタンフラワーに特化した作品にもよい味わいがあります。例えば千駄ヶ谷小学校付近にある複数のストリートアートも、シンプルな構成で建築物や街の環境を壊さずに、文字通り「華を添える」役割を果たしています。両足院の展示も、まさにその流れを汲んだものでした。

圧巻は、この屏風絵。紅白のボタンフラワーが金色の屏風に描かれたものですが、モチーフの描線も、屏風絵の作法に合わせているよう一方で、彼本来のタッチも残しているところに融合の魅力を感じました。

室内からは、窓越しに見えるこの庭園の紅葉も楽しめます。紅葉の赤とボタンフラワーの赤が符号していることで、この時期にこの会場を選んだ意味が感じられました。訪れる人はそれほど多くないので、ゆったり流れる時間の中で素敵な作品を堪能できます。開催は12/7までなので、まだチャンスがありますよ。