【MLB】井口3ランでカーテンコール

アメリカンリーグプレーオフ地区シリーズ第2戦で、ホワイトソックス井口がレッドソックスのウェルズから放った逆転決勝3ランは素晴らしかった。0-4から2点返して、なおも2死1・3塁。しかも、このチャンスは相手セカンドのエラーで広がったものという点もおもしろいね。前の投球が鋭く縦に変化するカーブで、今度は同じカーブが甘く入ってきたところを、うまくすくい上げて風に乗せた。

井口は2番という、最も野球センスを必要とする打順で、見事にその力を発揮したシーズンだった。にもかかわらず、スタメンを外れることも多く、監督との関係を指摘されたこともあった。そんなギーエン監督が試合後に「井口が自分にとってのMVP」とした上で、「彼は5番も打てるのに、2番で貢献してくれたからこそ、今のチームがある」とまで言わしめた。

浮かれるわけでもなくホームランの喜びを噛み締めながらダイヤモンドを一周し、ナイン手荒な祝福を受ける。そして、仲間に促されて、もう一度ベンチを出て観客の声援に応えた井口。彼の恵まれた野球人生の中でも、最も輝いた瞬間のひとつであったことだろう。おめでとう、井口!