【Citiオープン】錦織―デルポトロ

ワシントンDCで開催されているテニスのCitiオープン3回戦は、錦織にとっては2戦続けて深夜のマッチとなった。立ち上がりからデルポトロは動きが重く、しかも重心の移動を錦織が読み切って有利に試合を進めていた。ファーストセットはそのまま錦織が押し切り、セカンドセットに入っても錦織が順調にポイントを重ねて勝ち切るかに見えた。

しかし、終盤にブレークバックを許して逆にセットポイントを握られてしまう。今季の錦織はここで踏ん張れない印象があるのだが、この試合はそうではなかった。サーブで活路を見出すと、このゲームをキープ。続くリターンゲームをブレークして迎えたサービング・フォー・ザ・マッチでも、危なげなく押し切った。

ハードコートシーズンを迎え、錦織が覚醒したかもしれない。2回戦のドナルド・ヤングとの一戦も同様だったが、パワー勝負の激しいラリーから鋭いパッシングショットを打ち抜く。ときに織り交ぜるロブやドロップショットよりも、とにかくパワフルなストロークに見応えがあった。今季はまだタイトルを取っていない錦織にとって、願ってもないチャンスがやってきた。