【京都文博】小川千甕展

イメージ 1

京都文化博物館で開催されている「小川千甕展 ―縦横無尽に生きる」を鑑賞しました。小川千甕は、明治~昭和にかけて活躍した人物で、仏画や洋画、日本画、さらには漫画まで手を伸ばしています。京都の書店に生まれた千甕なので、地元での展覧会ですね。本来の読みは「せんよう」ですが、もともと近眼だから「ちかめ」から取ったものだそうです。

本当に多彩な作品を鑑賞することができますが、形式にとらわれない自由な発想の書画が新鮮でした。デフォルメされたイラストのような画風でも、表現したいことがしっかりしているので、決して軽薄な印象ではありません。既存の形式のうち、変えてはならないものとそうでないものの見極めができているから、違和感のない作品になるのでしょうね。そう考えると、仕事にも通じるものがありそうです。

また掛軸の絵は、縦長の構図に合った対象を見事にとらえていて、これはInstagramでフレームが決まっていることと同じなのではないかと感じました。一定のフレームに中で何を表現するか、それが徐々に積み上がって様式美にあってゆくのではないかと思います。