【ATPファイナルズ】錦織がマレー破る

夢舞台とも言えるATPツアーファイナルズに初参戦した錦織圭は、地元のマレーと初戦で対戦した。O2アリーナのせり上がるようなスタンドを埋める観衆はマレー寄りながら、好プレーには冷静に拍手が贈られるテニスらしい光景だった。

立ち上がりから、錦織はサービスに苦労する。セカンドサーブも入らずにダブルフォルトを繰り返すのだが、それでもストローク戦では決して打ち負けず、五分の展開となった。序盤は打ち急ぎもあり、ライジング気味のショットをことごとく外すなど苦しんだが、マレーも決してよくなかった。ブレイクされた直後にブレイクバックすると、今季の錦織の象徴でもある「5-4からリターンゲームをブレイクしてセットを取る」パターンとなった。

第2セットに入ってもサーブは改善されなかったが、ここぞという場面でのショットがよいところに決まり始める。リードしながらブレイクを返されたものの、第1セット同様に5-4からの第10ゲームをブレイクしてストレートで勝利をつかんだ。BS朝日の中継は、実況のアナウンサーがテニス慣れしていないせいか余計な発言がなく、解説の松岡修造の抑えの利いたコメントが快適だった。

これで準決勝進出に向けて大きく前進した錦織は、明日の夜23時(日本時間)にフェデラーと対戦する。ラオニッチを一蹴して好調を示したフェデラーだが、今季の錦織なら勝機は十分にある。貫禄負けしないように、自信を持って臨んで欲しい。