【テニス】錦織圭の覚醒

テニスのオーストラリアン・オープン、男子シングルス4回戦で錦織圭ナダルに3-0で敗れた。センターコートでランキング1位との対戦ということで、錦織は入場前から堅い表情。最初のサービスゲームを失ったあたりを見ると、実力を出せないまま終わってしまいそうだった。

しかし、今季の錦織は一味違う。これまでは淡泊で、強い相手に先行されると諦めたり体の痛みを訴えたり、上位選手に勝った次の試合で取りこぼしたりというパターンを繰り返していた。それが、マイケル・チャンの指導の影響なのか、攻める姿勢が前面に出ていて、精神的にタフになった印象だ。チャンの指導で、「フォアに回り込んで強打」という選択肢ができたことで、バックハンドも活きている。

ナダルとの一戦でも、ダウン・ザ・ラインのパッシングショットを鮮やかに決めたり、心憎いドロップショットを決めたりと貫禄すら感じさせるプレーぶりだった。決めるところを決めたナダルの勝負強さが本物だったわけだが、今季の錦織は明らかに覚醒している。グランドスラム大会での優勝も、夢ではなくなってきた。まずは、デビスカップのカナダ戦で、2つ勝ってくれることを期待しよう。