【東山魁夷記念館】心象風景を味わう

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京成電車中山駅、もしくはJR総武線下総中山駅から法華経寺の参道を抜けて15分ほど歩いたところに「市川市東山魁夷記念館」があります。八角形の塔を持つ西欧風建築の瀟洒な建物も魅力的ですが、作品の静謐な印象と相俟って上質な時間を過ごすことができます。
 
1階は資料室ですが、魁夷がドイツに留学した際に使っていたドイツ語のテキストや自習に使ったメモなどが展示されています。この時代の留学の大変さや、そこまでして留学する強い意志を垣間見ることができて、刺激を受けました。彼独特の青の顔料のサンプルもあって、なかなか面白い展示になっています。
 
2階は、作品数は多くないものの、ドイツの風景やの青を基調とした幻想的な作品が堪能できます。ドイツの風景は、僕が海外で「こんな風景が見たかった」と感じるものに近い題材で、感性が近いのだという感慨に浸ることができます。また、彼の描くヨーロッパの風景は現実の題材ではあるけれど、寒さや厳しさなどを取り除いて懐かしさや憧憬を加えた心象風景なのだと感じました。