【国立近代美術館】クーデルカ展

東京・竹橋の東京国立近代美術館で11/6~1/13の会期で開催されている「ジョセフ・クーデルカ展」。クーデルカチェコスロバキアから亡命した写真家です。全体的には冷戦期の東欧を感じさせる民衆の諦めと熱気が、対比しているわけではないのでしょうが、両面見られて興味深いです。

ジプシーを扱った写真を見て感じたのは、コミュニティや家族が、かつては同じ価値観に支えられていたからこそ「ホーム」だったのだということ。ジプシーという社会的に虐げられた民族ながら、家族や隣人と楽しそうに暮らしている写真や、楽器や舞踊によって社会に関与していた様子が切り取られています。その意味で、家族が崩壊して価値観の合うバーチャルなコミュニティが成立しているのが現代なのでしょうね。

一言だけ、あえて付け加えるならば、この美術館の順路設定は犯罪的なまでに最悪です。広いスペースに自由に導線を設定できるはずの造りなのに、「自由に見てください」とばかり突き放すやり方は、特に日本人には受け入れがたいと思っています。

http://www.momat.go.jp/Honkan/koudelka2013/