【ブリヂストン美術館】色を見る、色を楽しむ。

東京・京橋のブリヂストン美術館で開催されている「色を見る、色を楽しむ。」。絵具の歴史や、その進化によって絵画にどのような影響があったかを見せてくれる展示で、そのコンセプトはとても興味深いものがあります。ただ、それを例示するにはちょっとコレクションが弱く感てしまい、それが残念なところでした。一番の見どころはマティスの版画「ジャズ」の、リズム感のある豊かな色彩でした。

この美術館は所蔵するコレクションが魅力的で、ピカソの「腕を組んですわるサルタンバンク」やモネの「黄昏、ヴェネツィア」も素晴らしいけれど、何と言ってもルノワールの「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」です。先日読んだ「ミュゼオロジー入門」という本に、自分のコレクションを美術館に預かってもらっているような感覚の作品を持つ楽しみ方が提唱されていましたが、僕にとってこの作品は、まさにそんな存在です。今回は、ジョルジェットちゃんが微笑んで迎えてくれたような気がしました。

さらには、4月に亡くなったザオ・ウーキーの追悼展示もありました。彼は中国出身でフランス国籍を取得した画家ですが、抽象的で直情的な色彩で表現した作品は秀逸です。先日ご紹介した秋岡美帆と似ているものの、より男性的な雰囲気。好きな画家なので、いろいろな思いを感じながら鑑賞しました。

http://www.bridgestone-museum.gr.jp/exhibitions/