【人事の話】就活3月解禁?

いわゆる「倫理憲章」の見直しで、2014年新卒は12月1日が解禁日だったものを3月以降にしようという動きがあります。あくまで経団連に加盟している企業が対象ではありますが、リクナビマイナビといった就活ツールが憲章に合わせた動きになるため、実質的に多くの企業に影響を及ぼすことになります。

これは「学生が学業に専念するため」というもっともらしい理由がつけられているのですが、理系の研究室と文系の卒論不要の学生では「学業への影響」の程度も大きく違います。最近ではインターンシップに単位を与える大学もあれば、昔から教育実習は大学の授業がある時期にも行われています。文部科学省や大学関係者の内部でも意見が一致していない中で、「就活=企業エゴ=悪」のように見られることは心外です。

中には「研究室の活動に影響した」と企業にクレームをつけてくる教授もいます。しかし、自分の研究のために学生を無給で、いや授業料まで取った上で事実上こき使っている大学こそ、人権上よっぽど問題のある行為ではないかと思うのです。大手銀行でも「協定破り」で選考を進めている企業もあると聞いており、誰のための倫理憲章で誰が得をしているのか、まったくわからないのが実情なのです。