【Bunkamura】白隠展

渋谷の「Bunkamura ザ・ミュージアム」で先週末に開幕した「白隠展」を観賞しました。白隠慧鶴(はくいんえかく)は1686年に生まれ1769年に没した江戸中期の禅僧で、現在の静岡県沼津市出身です。彼の画風は実にユニーク。同時代に活躍した円空のように、デフォルメされた線を用いて仏画などを描いています。

17~8世紀の日本で、すでに現代に通じるようなデフォルメが確立していたことが、僕には驚きでした。ある意味、これは現代のコミックス「聖☆おにいさん」の原形なのかもしれません。達磨大師が死後に片方の靴だけを持って中国西域で「故郷であるインドに帰る」と言って姿を現したエピソードを描いた「隻履達磨」や、有力者の家を回って「寺社に代参するから」と小金をせびる「「すたすた坊主」などユーモアを効かせて自分の境遇に重ね合せて開示しているようなのです。

文人画家・池大雅とのコラボ作品もあり幅広い活動を偲ばせますが、白隠の書の作品はバランスが悪く、最後の一文字が詰まってしまって小さくなってしまうのも、素朴さが感じられて面白かったです。自分が知らなかった世界だけに、新しいものを発見した喜びを感じる展覧会でした。

http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/12_hakuin/index.html