【東京国立博物館】北京故宮博物院200選

上野の東京国立博物館で開催されている「北京故宮博物院200選」。かなりの混雑が予想されていたので、雨天かつ京浜東北線沿線の火事で不通になった今日がチャンスだと思い、出掛けてみました。ところが、着いてみると入場までは30分待ちで、目玉の「清明上河図」に至っては3時間半待ちでした。さすがに3時間以上待ってまで見ようとは思いません…

鑑賞した感想としては、中国美術はコンテキストを知ることが重要だということでしょうか。書は特に、自分が鑑賞するパースペクティブを持っていないので、面白みを感じられません。青磁漆器も、ただ見たままを感じるだけでは特に感動もないんですよね。その作品が持つ歴史的価値やバックグラウンドがあってこそ、ありがたみを感じるんでしょうね。

清明上河図」もそうですが、巻物の横に広がる特性を生かしたパノラマは日本でも見られますが、芸術性よりも風俗の記録としての価値のように思いました。巻物は横長というメディアの制約の下での表現なので、ある意味屏風絵や襖絵に通じるところがありますね。

もうひとつ僕が痛感したのは、やはり日本は中国文化の影響を色濃く受けているということです。琳派狩野派の屏風絵にしても雪舟水墨画にしても、そのルーツと考えてもおかしくないようなプロトタイプがここで見られました。ただ、中国画の技法を単に模倣するのではなく、オリジナリティを加えたところが素晴らしいのでしょうね。この展覧会で見る限り、中国では様式美の追随に価値を見出しているように思いました。

http://www.kokyu200.jp/