【映画】ツレがうつになりまして

パリへ向かうJALの機内で何本か見た映画の中で、一番印象に残ったのが「ツレがうつになりまして」でした。扱うテーマがセンシティブな割には、「うつ」の本質を見失わずにしっかりとしたシトーリーに仕上げてくれています。自分のダンナのことを「ツレ」と呼ぶ部分に一番の違和感はありますが、英語字幕では「ツレ」を「S.O.(=Significant Other)」と訳していてナルホドという感じでした。

津田寛治が演じるツレの兄が、うつを理解せずに一方的に励まして帰ってゆくシーンは、いかにも現実にありそうな展開。ツレの仕事がコールセンターのスタッフという点も、妙にリアルに感じさせます。それだけに、現実感がしっかりあって、それを演じ切った堺雅人はさすがの演技力と存在感ですね。宮崎あおいも、売れないマンガ家を好演していました。

ツレが細かいことにこだわる性格だということを、自分の名字「髙﨑(はしご高)」を「高崎(クチ高)」と表記されて怒ることで表現しているのは、なかなか良いポイントだと思います。こうした細かい部分でわかりやすく、無駄のない作りにしているところがこの映画の一番の良さなのではないかと思いました。

http://www.tsureutsu.jp/index.html