【オペラ】オデッサ歌劇場「トゥーランドット」

実は、いままでオペラは食わず嫌いで、生で見たことがありませんでした。今回たまたま、荒川静香が使ったことで有名になったアリア「誰も寝てはならぬ」を含むトゥーランドットの公演があり、しかも指揮者は西本智実ということで大宮ソニックホールまで出掛けてみました。

ウクライナ国立オデッサ歌劇場の公演は4日前にe+でチケットを押さえたのですが、前方やや右サイドの通路側という悪くない席が確保できました。さすがに客層は年齢層が高く、埼玉県教職員組合の団体も来ていたようで、会場は落ち着いた雰囲気です。

演奏は、第1幕ではややバラついた感じがあったものの、徐々に持ち直してきます。西本さんは、遠くに第2幕の「謎解き」の部分でソリストの動きを追いながら、ていねいな気配りでキューを出していました。弦の音は迫力もあってよかったのですが、打楽器が今ひとつ練れていない印象でした。ドラの音が合わなかったり、グロッケンの残響を無理やり止めたりしていました。

カラフを演じたアレクセイ・レプチンスキーの「誰も寝てはならぬ」は、声質が合っていてロマンチックな雰囲気が出ていました。声量はあるのですが、ところどころ伸ばし切れずに音が切れてしまう部分もありましたけどね。イタリア語のオペラをウクライナ人が、中国の場面設定を日本で演じているという点は不思議です…

それにしても、ソリストが張りのある声で歌いながら強弱や曲想をつけるテクニックは感動的。CDやテレビでは声が増幅されたものですが、生で聴くとその繊細なコントロールに芸術性を感じます。ただ、生の声量を堪能するにはソニックホールもそうですが、いわゆるコンサートホールよりもパリのガルニエやミラノのスカラ座のような専用劇場がよさそうですね。

http://www.koransha.com/opera/odessa2012/index.html