【国立新美術館】ワシントン・ナショナルギャラリー展

国立新美術館で6月8日から9月5日まで開催されている「ワシントン・ナショナルギャラリー展」へ行ってきました。この美術館はワシントンDCを旅行した際に訪れたのですが、これだけの作品が来日していると聞けば、鑑賞しないわけにはいきません。さすがにフェルメールダヴィンチの作品は来ていないものの、モネ、ルノワール、マネら印象派のマスターピースが目白押しです。

アメリカ人の趣味なのか、コントラストのはっきりした作品が多い印象があり、展覧会のポスター等に使われているマネの「鉄道」が特に象徴的です。淡い色彩の作品が多いピサロの「カルーゼル広場、パリ」はくっきりとしています。あらためて存在感を感じたのはモネの「日傘の女」。妻と子供を逆光で捉えたモチーフですが、強い日差しが自分の網膜に再現されるような錯覚を覚えるほどです。同じ対象を描いているルノワールの作品もありますが、こちらの方が客観的に「ただの客体」として描かれていて、モネとの対比が興味深いところです。

セザンヌの「赤いチョッキの少年」はピカソへの継承を感じさせるし、別の作品にはブラックに通じるようなキュビズムへの片鱗がうかがえました。作品の数もレベルも十分に満足できるものですし、展示も見やすい構成です。パウル・クレー展と比べると、コストパフォーマンスはこちらの完勝ですね。

http://www.ntv.co.jp/washington/index.html