チャットモンチーの新しいアルバム「You More」を最初に聴いたときの感想は、「今回も彼女たちらしさが炸裂しているな」というものでした。ところが、聴けば聴くほど物足りなさが募ってきます。メロディよりも歌詞を大事にしているところは相変わらずだけど、それに甘んじてしまってメロディが不在になっている気がするんですよね。
「バースデイケーキの上を歩いて」のように悪くない曲もあるし、「涙の行方」はレゲエを意識したアレンジが洒落ている。でも、そうではない曲も少なくないのです。ただ、救いはアレンジのよさ。単調にならないアイデア満載のアレンジと、無駄なほどに叩きまくるドラムスが余計なことを忘れさせてくれます。
そうは言っても、このアルバムで新しいファン層を開拓できる感じはあまりしません。次のアルバムも同じ傾向が続くなら、「成熟」という名のマンネリに陥ってしまいそうな危険な香りすら感じてしまいました。
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/chatmonchy/disco/index.html
