【朝鮮半島情勢】日本は平和ボケか?

韓国の延坪島での砲撃事件で、隣国で起きている非常事態に対して反応が鈍いとして「日本人は平和ボケ」というコメントを見かけます。必要以上に騒ぎ立てることが正しいわけでもないし、ネットで「戦争反対」と唱えることにどれほどの意味があるかも疑問です。北朝鮮の行為は誉められたものではないにせよ、北朝鮮が領有を主張している海域を睨んでの軍事演習は挑発的な意図はなかったのかと考えると、あながち北朝鮮だけを責めるには当たらないような気もします。

さて、日本人は本当に平和ボケなのでしょうか。朝鮮半島は、実は「休戦」しているだけで、朝鮮戦争は終わっていません。韓国旅行に行くということは、休戦中とはいえ戦時下に出掛けていくのと同じこと。ご存知のように、韓国には徴兵義務もあります。しかし、そんな韓国の国民ですら、「同じ民族の北朝鮮が砲撃するのが信じられない」と発言する状況なのです。交戦国の国民性を信じてしまうことの背後にあるのは「平和ボケ」なのではなく、敢えて言うならば「過剰な平和教育」の結果なのではないでしょうか。

戦争や暴力を推奨するつもりはありませんが、「話せばわかる」が通用しないから歴史的にも戦いや争いは繰り返されてきたし、核による抑止力も必要悪になっている現状があるのです。不法な暴力を封じ込める抑止力がないのであれば、対抗手段は力でしかないことは自覚しておく必要があるのではないでしょうか。日本が武力攻撃を受けたときに「戦争反対」と叫んでも何の意味もないし、国際世論に支持されても国がなくなってしまえばどうしようもないのです。