【バンクーバーオリンピック】開会式での創造

いよいよカナダ・バンクーバー冬季オリンピックが開幕しました。開会式は斬新なアイデアで造りこまれた部分と旧態依然として部分があいまって、いかにもカナダらしさを感じさせるものでした。冒頭にスノーボーダーがオリンピックの五輪マークから飛び出してくる演出では、室内に作られたクッションのスロープがいかにも安っぽく、第一印象としてはあまり良いものではなかったですね。

中盤の見せ場は、カナダのシンボルであるメイプルリーフの赤の中をヴァイオリンを演奏しながらステップを踏むシーン。ボウイングの力が強すぎるのか、弓に張られた毛のかなりの数が切れて垂れ下がっていましたね。これを激しさを視覚に訴える演出と見るか、品のない演奏技術と見るか、カナダの国民性としては前者なのだろうと思います。音楽と舞台と照明が開会式らしい総合芸術として構成されていて、とても素晴らしい出来だったと思います。

そして、大詰めの聖火点火。ここでもカナダらしいクリエイティビティが発揮されます。車椅子のランナーから聖火を受け継いだ4人のランナーが、同時に点火するという新しい試みです。薪のような聖火台も新鮮でしたし、「調和」というコンセプトがよく出ていました。その4人にはNBAのスティーブ・ナッシュと元NHLのウェイン・グレツキー。バスケ選手としては不自然なくらい長髪のナッシュは、「こんなに爽やかだったのか?」と思うくらい素敵な笑顔でした。

日本選手の活躍も期待したいところですが、メダルの数だけを騒ぐのではなく、競技の内容や他国選手の一流プレーも堪能したいですね。僕が楽しみにしているのは、男子アイスホッケー。北欧勢とカナダ、アメリカの激突に期待が高まります。