【20世紀少年】最終章はスターウォーズを超えた

コミックはスピリッツでの連載時に全て読み、映画も第1章と第2章を見ているだけに、この最終章への期待も大きかったです。ただ、上映時間が155分ということで会社帰りに気軽に鑑賞するボリュームでもなく、興行成績も上位で混雑が予想されるために、なかなか見るチャンスを作れなかったのです。土曜日の7時からの上映を地元の映画館で見ましたが、観客が20人ほどでゆったりと余裕も持って楽しめたのはよかったです。

この映画は原作を読んでいないとストーリーが複雑な上に時代も錯綜し、またトラップも仕掛けられているので、理解は難しいのでしょうね。それでも原作が終盤の設定をこねくり回したあげく、意外なほどにあっさり終わってしまったことと比べれば、非常にわかりやすくなっています。原作ではケンヂがともだちの正体を告げる場面で終わるのですが、映画ではその論理がちゃんと説明されていますよ。

キャストでは脇役が光りました。友民党の高須幹事長を演じた小池栄子の信仰にハマった感じの演技は秀逸だし、ベーシスト役で登場した高橋幸宏、漫画家役の森山未來地球防衛軍の高島政信とロンブー田村淳らがいい味を出しています。それに比べると、オッチョの豊川悦司やユキジの常盤貴子は役の難しさに翻弄されていたように見えました。

映像の切り替えや遊び心も含め、さすがは堤幸彦監督ですね。スターウォーズが特撮と世界観だけであそこまでヒットさせたことと比較しても、ストーリーの深さや映画らしい作り込みまで含めて「20世紀少年」の勝ちではないかと、かなりひいき目ですがそう思っています。

http://www.20thboys.com/index.html