【人事の話】キャリアパスとは

キャリアパスとは、「社員が自分のキャリアの目標を定めやすくするために、企業が用意する育成の段階的な道筋」ということができるでしょう。つまりはモデル的なステップアップ例を見せることで、社員が何を目指すのか、そのためにはどんな経験を積めばよいのかを把握しやすくするものです。

しかし、一概にキャリアパスと言っても、その形は企業によってまったく違うものになります。IT業界やコンサルタント業界では、キャリアパスは単なる職務名称の序列づけであることがしばしばです。例えば「プログラマーシステムエンジニア→プロジェクトリーダー→プロジェクトマネージャー→プログラムマネージャー」という羅列を、もっともらしく図示しているだけなのです。技術職の世界では、まるで徒弟制度のような序列があり、他の職種に転換することは想定してないということなのでしょう。

一方、日本企業のように定期採用と終身雇用がセットになっているところでは、職種間のローテーションによって社内のゼネラリストが養成され、将来の事業部長や役員、社長が育てられていきます。このような企業では、営業→企画→開発といった職種転換をしながら、ポストも課長→次長→部長と階段を上っていきます。つまり職種と階層という複数のファクターの中を、マトリクスのように経験していく中でキャリアを積んでいくのです。

多くの会社は人材育成体系の一貫として、キャリアパスを示していることが多いので、一度皆さんの会社のキャリアパスを確認してみてはいかがでしょうか。